さまざまなフケ症の原因をご紹介します。
フケ症は、通常よりも多くの量のフケが頭皮から発生してしまう症状です。 そのほとんどの場合は脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)と診断されます。 では、このフケ症は、どのようなことが原因で起こってしまうのでしょう。
まず、フケが発生するメカニズムについてご説明します。 フケは、頭皮の皮脂が新陳代謝によって古いものから新しいものに入れ替わる時に、古い頭皮がはがれたものです。 ですので、これは自然な生理現象なのです。
しかし、例えば毎日のように大量の頭皮がはがれ落ちるとなれば、それは正常な状態ではありません。 新陳代謝は全身で行われていますが、もし毎日顔の皮がはがれていったら、それは正常とはいえないですよね。 それと同じ事なのです。 つまり、フケ症というのは、このフケ発生のメカニズムが狂ってしまった状況なのです。
では、何が原因でメカニズムは狂ってしまうのでしょうか??
頭皮には、皮脂を分泌する為の皮脂腺というものがあります。 そして、この皮脂を栄養源としている菌もそこにいます。 頭の上に菌がいるというのは、気持ちが悪いように思われますが、人間の身体には沢山の菌が住みついているんですよ。 この菌の存在自体はおかしなことではありません。
問題は、皮脂の増加により、この菌が通常よりも異常に多くなる事です。 皮脂の分泌量が多くなる事で、頭皮の皮脂腺に付着している菌が大量に繁殖するのです。 これがフケ症の原因になるのです。
フケ症の原因は、頭皮の皮脂腺から発生する皮脂を栄養としている菌の大量発生にあります。 では、これらの菌が大繁殖する事が、なぜフケ症に関係してくるのでしょう。
この、皮脂を栄養源としている菌を、癜風菌(でんぷうきん)と言います。 この癜風菌は、カビの一種と言われています。 つまり、頭の上にカビが生えている状況です。 ただ、これは正常な事であって、人間の身体には菌・カビの部類は常に付着しています。 しかし、この癜風菌というカビの一種が大量に頭皮に付着していると、皮脂が必要以上に分解されていきます。
この菌は皮脂を脂肪酸に分解するのですが、そうする事によって頭の角質の新陳代謝が異常に早まってしまいます。 そうなれば、当然角質はポロポロとはがれ落ちていきますよね。 これが、フケ症の原因です。
フケ症の元となるのは、新陳代謝を促進させるカビたちの仕業です。 これによって、たとえ毎日二回頭を洗ってもフケが出てしまうという人がいるのです。 通常、フケが出るのは数日頭を洗わないなど、新陳代謝によってはがれた角質を定期的に洗い流していない人だけです。 しかし、その新陳代謝を人の数倍早くしてしまっているのが、フケ症という病気なのです。 新陳代謝が早いことは良いことだ、と思う方もいるかもしれませんが、正常な状態ではない上に、見た目が良くないので、良いことはありません。 できる限り早くに治療すべきなのです。
フケ症の原因となる癜風菌(でんぷうきん)の大量発生は、皮脂の分泌が多いことが原因となります。 では、この皮脂の分泌量が増える要因とは何なのでしょう。 基本的に、皮脂が多いのは男性です。 ですので、フケ症は男性に多い病気と言われています。 皮脂が多く発生するのは、一つは生まれつきの体質であったり、性別であったりといった本人にはどうしようもない事もあります。 その一方で、別の要因もあります。 皮脂の過剰分泌の要因として挙げられるのは、睡眠不足や食事時間の乱れです。 これらは、人間の体に異常をきたす最大の要因であり、これが原因で皮脂が過剰に分泌してしまうという事が確認されています。 同様に、ストレスが溜まった体も、体調に悪影響を及ぼします。 これもまた、皮脂の過剰分泌の要因です。 さらに、性別によって皮脂の分泌量が変わるという事に関連し、ホルモンバランスの乱れによる過剰分泌も考えられます。 男性ホルモンが多くなる事で、こういった症状が生まれるといったところです。 さらには、ビタミンBの不足に関しても、指摘されているようです。 こういった症状は、全て生活習慣の乱れが原因となっています。 体調悪化の多くは生活習慣が整っていないから、このフケ症という症状もまた、その一つに数えられます。 ホルモンバランスにしても、ビタミンBの不足にしても、生活習慣が乱れている事が原因と言えます。 つまり、フケ症の原因は、生活習慣の乱れによるものであると考えても良いでしょう。
フケ症の原因である皮脂の過剰分泌は、基本的に生活習慣を乱している事が要因となります。 もちろん、体質的な部分もかなりを占めますが、やはり一番はストレスであったり、ホルモンバランスの乱れであったり、体質に悪影響を及ぼすような要因が多くなってきます。 そして、それらと同じく、フケ症の外的要因となっているのが、不衛生な生活です。
フケは、不衛生、不潔の象徴ともいえるものですよね。 フケが肩に落ちているというだけで、その人は不潔だと判断する方がほとんどかと思います。 実際、フケ症に悩む人のほとんどは、こういった他人の目が怖い、と不安に思っているかと思います。 どれだけ頭を洗っても出てきてしまうフケに、恐怖を覚える方も少なくないでしょう。
もちろん、清潔にしている方もいる一方で、フケ症の原因が不衛生な生活にあることも否定できません。 洗髪、洗顔、入浴をあまりしていない、あるいは全くしていないという場合は、当然ながら皮脂も溜まりますし、分泌量も増えていきます。 単にフケ自体が頭の上に溜まっていくというだけでなく、実際に皮脂の分泌量が増え、重度のフケ症となっていく原因となっているのです。 不衛生な生活は身体に悪影響を与えるからです。 これも、フケ症の一つの原因です。
フケ症をどうにかしたいという場合、生活習慣を根本から見直す必要があります。 その中で、不衛生な生活を送っているという自覚がある人は、まずそこから直していかなければならないでしょう。
フケ症の原因として最も意外なものは、シャンプーです。
シャンプーというと、当然髪の毛を洗うもので、頭皮を洗う事にもなります。 フケが付着している場合はそれを落としますし、皮脂や頭皮に付いた菌を洗い流す事もできます。 つまり、シャンプーとフケは敵対関係にあると言っても良いでしょう。 それが、何故友好関係とも言えるフケ症の原因となるのでしょうか。
シャンプーには、相性があります。 シャンプーはラウレス硫酸ナトリウム、保湿剤、増泡剤、防腐剤など、様々な材料を成分としており、その中にもしかしたら皮膚と合わない成分が混じっている可能性もあります。 その場合、シャンプーは洗髪の為の洗剤から一転、頭皮を痛める要因となります。 頭皮が痛めば、その分新陳代謝を早めてしまい、フケも増えてしまうのです。 同じような事がリンスや化粧品にもいえます。 これらは、一歩間違えると頭皮を痛める可能性があるものなのです。
厄介なのは、シャンプーやリンスが頭皮を痛めるという事など夢にも思わないという人が多い事です。 実際、洗うためのものがその逆の効果を生み出しているなど、普通は思わないものです。 もしシャンプーによってフケ症が悪化したとしても、それが原因である事に気が付くというのはなかなか難しいでしょう。 そういう意味では、数ある原因の中で一番特定が難しいものと言えます。
もっとも、解決策に関しては簡単です。 シャンプーやリンスを別のものに替えるだけですから。 ただし、他のシャンプーでも改善されないようなら、他の問題を疑ってください。